第4回|みんなの居場所【活動紹介】たっちゃんカフェ

今回は、月に2回ほど自宅を開放し「みんなの居場所たっちゃんカフェ」を運営している日月(たちもり)さんにお話をお伺いしました。

自宅を居場所としてカフェやお茶会を開催している方は石川県内でも多数あります。

しかし、便利なこともありそうだけど、自宅を会場にすると悩ましいことや大変なことの方が多いのでは?と気になります。
開催場所をどこにするか、居場所運営でも一番頭を悩ますところではないでしょうか。

お盆明けで、カフェの参加者も少ないかもしれないとのお話でしたが、この日も4名ほどの参加者がありました。

みなさんお茶を飲みながら落ち着いた雰囲気で、のんびりとお話をされていました。

お客さんのいない時間を頂いて、いろいろな疑問や心配事を、工夫されていることなど具体的にお話を聞いてきました!

国道8号線から西側の上荒屋地区にあるたっちゃんカフェ。閑静な住宅街に位置しています。

みんなの居場所たっちゃんカフェは何をするところですか?

カフェ、居場所というと、なんとなくイメージは着きますが、具体的にどんな感じで何をするんだろう?ふと聞かれると、なんとなくしか答えれないことが多いのではないでしょうか。

たっちゃんカフェの“たっちゃん”は日月さんのご長男さんからとった屋号とのこと。
“たっちゃん”は不登校や家にずっといる状態もあったものの、現在は自立されて東京で暮らしているそうです。

そうしたご家族との関わりや実体験をもつ日月さんが、なぜ居場所を始めようと思ったのでしょうか。

スタッフN

みんなの居場所たっちゃんカフェは、具体的に何をするとこなんでしょうか?
なんとなくイメージできることは、集まってお茶を飲んで、お話する、という感じであってますか?

日月さん

自分の辛い思いを吐き出したい人が来て、話をするところ。聞いてあげるだけですけど。

やっぱり誰にでも喋れないじゃないですか、だからまぁ一応、私個人の体験1つだけなんですけど、わかってあげれることが何かあるんじゃないかなと思って。

結構私歴史が長いもんですから、いろんな人と出会ったり、知ってる情報もいろいろあって、じゃあこういうとこ行ったらどうや?って、情報提供したり繋いであげたりとか。

こういうとこ顔出したらヒントもらえるかもしれんしって。

そういうのがここの役割かな。

スタッフN

生の情報が得られるのは良いですね!
なかなかチラシやネットの情報だけではわからないことが多いですよね。

そもそも、なぜ居場所を始めようと思ったんですか?

日月さん

自分が辛かった時に、親の会があまりなかったんです。

あっても、1ヶ月に1回なんですよ。・・・そしたら、1ヶ月間もたないんですよ。

そんな時に私の知り合いが、そういう集まりを1ヶ月ごとにやっていたんですよ。

自分はずっと看護師で常勤してたんですけど、勤務調整して「絶対この日とこの日は行くぞ!」みたいな感じで、そこがすごく私の心の寄り所だったんです。

だからそういうところを自分の子どもたちが落ちついた時に、提供できたらいいなって考えて。

なんか辛い気持ちが、やっぱそこ行って帰ってくると「それでいいんだよ」っていう、何かメッセージを頂けるんで、ちょっと心が安心して、自分もそういうところに行って助けられたから、そういうことができないかなぁと。

スタッフN

「できたらいいなぁ」という漠然とした思いから、具体的に始めたようと思ったのはなぜですか?

日月さん

始めるきっかけは子どもが自立をして家を出て行ったこと。

やっぱ悩んでいる最中はできんですよね。いるもん子ども家の2階に。

・・・まぁやってもいいんですけど、そこまで自分の気持ちがそこまでならなかった。

ただ風を入れなさいと言うことをKHJ親の会の講演会で講師の方が言っていて、自宅に人が出入りするようにしました。

最初はちょっと習い事みたいな感じで、簡単なヨガの教室を開いたんです、子どもに了解をとって。

スタッフN

最初はヨガ教室から始まったんですね?!
しかしなぜ、お子さんに了解をとったんですか?

日月さん

家で1時間ヨガの教室をやるんじゃないですか、その間って彼は気をつかってトイレに行かないわけですよ。

だからやっぱり良いか、ちゃんと聞かんといかんなって。

スタッフN

人を家に呼んで良いか聞いて、反応はどんな感じでしたか?!

日月さん

時給いくら?やって(笑)

スタッフN

(笑)悪い反応ではなかったということですね?

日月さん

「しゃーないけど」みたいな感じやけど。

(ヨガ教室を1時間やったら)彼は飲み物も調節するわけですよ。

スタッフN

なるほど・・・「風を入れる」ということで家にお客さんが出入りするようにしたけど、一方でご家族のことも考えないといけないですね。
けれどそれも事前に相談をしたことで、トラブルなどもなかったということですか?

日月さん

家族とはトラブルはなかったけど・・・、私さらにヨガの教室いっぱい増やしたんですよ(笑)

(いろいろ思うことがあったと思うけど)反対はしなかったですね。

自宅に人が来ることで、家族の関係に「風」が吹き込む。
それが直接何かに効いてくるわけではないけれど、少しずつ物事が変わっていく様子が伺えます。

どうしても家族という関係の中では「そこまで気を遣わなくてもいいか」「後から説明すればいいかな」というような、普段なら他人にはちゃんと説明することも曖昧になることはないでしょうか。

家族だから、子どもだから・・・一方通行の思いで物事を進めることなく、家族や本人にも了解を得て始めたことは、その後続いていく上で重要なポイントじゃないかなと思いました。

もし「気がついたら知らない人が、月に何回も家にお茶をしに来る」ということが、説明もなしに始まったら不信感は高まるかもしれませんね。

家族とはいえ、一人の個人として説明をして了解を得るということは、当たり前のことのようですが、相手を一個人の人格として関わることの大事さが現れていると思いました。

お茶をいただいて、お菓子をいただいて、おもてなしをされて、心地よくお話できる雰囲気でした。

はじめたときのこと

何か自分にもできないかと思い、みなさん様々な活動をされています。
ボランティアに行く人、勉強会を開く人といろんな形があります。

たっちゃんカフェはなぜ居場所・カフェという形にしたんでしょうか?

スタッフN

居場所・カフェといった形にするのは、はじめから決めていたんですか?

日月さん

私の知り合いがやってたお手本があったんで、いずれ自分でもやってみたいなと思ってて

お手本の人たちは二人でやっておられたんですけど、味噌汁作ったり、みんなで何かそんなことしたり、誰かが何か持ち寄ったりしたものを何か食べながら、元学校の先生やっとられた人がその辺に座っておられて、うんうんて聞いてくださっとって。

もうお一人亡くなってしまったんですけど、その方がやっぱりすごく私は助けられたかな。

お手本があったからできたかな。

スタッフN

それは不登校やひきこもりの親の集まりだったんですか?

日月さん

婦人向けの漢字教室なんです元々が。

それがね、子育ての悩み相談みたいになって。

元小学校の先生が漢字がすごく得意で、教室もちょっとあったんですけどほとんどは悩み相談。

主催していたのが息子の同級生のお母さんだったんです、そんでなんか「不登校しとるって聞いたんで、家来てみない?」って声かけてもらって。

スタッフN

お子さんが自立されたきっかけもあったとお話してくださいましたが、具体的に始めたきっかけはあったんですか?

日月さん

背中を押してくれた人がいた。

始めるときにやっぱり、ちょっと怖いじゃないですか。どうなるんやろうって。

やったことないし。でなんか重い話やったらどうしよって。

そしたら友人が「私でよかったら手伝うよ」って。仕事終わってからちょこっと顔出してくれたり、私の相談を受けてくれる人がいる。

ほんとに心強い。

誰もいない時にも来てくれる「コーヒー飲みに行っていい?」って。

スタッフN

人の話を聞くって、誰でもできそうで、実は難しいことですよね。

訓練とか講習とか受けられたりしたんですか?

日月さん

してないけど、私、恥ずかしながら精神科のある病院に9年間勤めとったんです最後の方ね。

でも難しいですよね。

一応そこはやっぱり聞くことやし、聞いて話まとめて返してあげんなんといかんし。仕事のそれはちょっと役に立っとるんかなーって。

難しいもんやっていうもんは肝に命じとる。

自分はできないから。

話聞くこと自体は難しいこと、というのがベースにある。

「話を聞く」ということは、簡単なように思えて、実はなかなか一言で説明のできるようなことではありません。
様々な講座やトレーニングが各地で開催されていたりと、いろいろな場面で広く必要とされているスキル(能力)でもあります。

とはいいながら、ついついお話が楽しくなると、自分の話もしたくなるものですよね。

そもそも自分のことを、自分の気持ちを言葉にするということ自体が難しいことなんだ、というところが基本にあることではじめて「なんでも話して良い」が成立するのではないかと思いました。

この日は一般お客さんの他に、お友達のスクールカウンセラーさんもいらっしゃっていました。

工夫していること

たっちゃっんカフェは日月さんが一人で開催・運営をされています。

お家にお邪魔すると、とっても綺麗にされていて、ちゃんとした本物の卓球台もあり、良い雰囲気の音楽も流れています。

おもてなしされているような気になってきます!

スタッフN

たっちゃんカフェをやってく上で、何か工夫していることはありますか?

日月さん

いらない指導はしない。

アドバイスはしない。

聞かれたら「私の場合はこうだったよ」って、でもこれはひとつの事例でしかないから、それは当てはまるとは限らないから。

そういうのは気をつけるようにはしてる、自分が嫌やったから。

スタッフN

雰囲気作りとかもありますか?
今日もジャズが流れていて、お洒落な感じ

お茶菓子もあって、コーヒーも美味しいです。

日月さん

お茶やコーヒー、駄菓子は必ず置いて、あったらいいかなぁと思って。

食べ物作ったりとか本当は好きなんですけど、それはちょっと違うかなと思って。

音楽をかけるのは、シーンとしとったらちょっとアレじゃないですか。

本当はお花もあったほうがいいんですけどないです。

ちょっとすぐ枯れるし(笑)

月2回やし(笑)

シーンとしてるとお通夜みたいじゃあ・・・ここ来た時ぐらいはゆっくりね、辛いこと話してもいいし忘れてもいいし。

スタッフN

お花のこととか、料理のこととか、本当はこんなこともあんなこともしたい!
けど、頑張らずに必要なことだけに絞っているような感じですね。

それは続けられる工夫と言えそうですね?

日月さん

頑張らずに、で良いわって。

ある人に実は「誰も来なかったらなんか寂しいんですけど」って言ったら、「いやいや誰も来なくていいんだよ」って言ってくれて。

あなたが「この時間ここに、おうちに居るよ、誰でも来て」って言うだけでいいんだよって。

で、普通の家だから看板立てなさいよとか旗たてなさいよーとかなんか、普通の家やからここやっとるんやなっていうことがわかるようなことしなさいって言ってくれて。

誰も来なくてもいいんだよって。

それからちょっと気が楽になって。

スタッフN

居場所をやっていても、人が来ないと確かに寂しいですね・・・続けれなくなりそうですが、誰も来なくて良いんだと思えると、気が楽になりそうです。

日月さん

私は基本的には「来て」って声かけない。

来たい人が来ればいいと思ってる。「何かあったら電話かけてくるやろ」みたいな。

でも声かけたほうがいいんかも知れんけど、まぁ今のところは積極的には来てくださいじゃなくて、「やってるよー」って。

基本的には分かっとると思うし、おいでとは言わない。

スタッフN

声をかけるかかけないか、とっても難しいですね。
来て欲しいけど、声をかけられる方のこともちょっと考えないと、ということですか?

日月さん

いつも遠くからおいでる人が、長いことおいでんかったんね。気になっとったんやけど、久しぶりに顔出してくれたときに「動けんかってん」て。

そういう人もおいでるのかなって。

ほんとに行きたければ来るから。

スタッフN

動けないくらい辛い時に「おいで」って言われるのは・・・辛いかもですね。

断ることさえ苦しくなりそうです。

日月さん

声かけるだけやから、別にそれで来んならんと言うことではないんやろうけど。

でも声かけた方が嬉しい人もおるんやろなぁと思いながら、それこそあんまり人を呼ぶことに労力かけたくない、私自身が。

ほんとに来たいと思う人だけが、来てくれたら良いと思って。

居場所やカフェをやるときに、声をかけるかけないか、悩ましいところです。

なぜ居場所を続けるか、カフェを続けるか、その気持ちの中に一本の柱がないと、人が来る来ないで不安になりそうです。

日月さんは「ほんとに来たい人が来たら良い」というように、人が来るか来ないに特にこだわる必要はないのかもしれません。

たっちゃんカフェの目印は、自宅前の手書きの立て看板。
自宅にピアノも!音楽も流れていて落ち着く雰囲気です。

自宅を会場にするのは、大変そう!

自宅が会場というのは、自分のことに置き換えると、やはりちょっとやめておこうかなと思ってしまいます。

なんだか落ち着かない気がします。

そんな心配事はないのでしょうか?

スタッフN

自宅を会場にする苦労はありますか?

日月さん

車のこと(駐車場)。そんなにいっぱい集まらんから、今まではちょうどいいんですけど。

今のところそれ以外は、困ることも辛いこともない。

私うちの息子って家から1歩も出んかったから、ほとんど周りの人知らんかったんですよね。家にヨガに来ている人も知らんかった。

もう家を出てしまってから、うちの子今やっとこんなんやったんで、まぁ私もその時辛かったし、こうやってカフェを開いてそういった人たちがまぁ気軽に来れるようにやっとるげんて言うと、へーそんなことあったんみたいな、あんたいいことしとるねって言うてくれる人もおるし。

スタッフN

カフェが終わって、その会場って自宅じゃないですか、気持ちの切替とかできますか?
落ち着かないなとか、心が疲れたりしませんか?

日月さん

ないない!さーおわったーご飯調達しよーみたいな。

困ることない。来る人少ないし。

きっとね、たくさん人が来るところは大変やと思う。疲れると思う。

人数が多いと、皆さんちゃん気持ちの吐き出しできたんかなとか、それはちょっと気を使うかな。

なんも喋れんで帰って、来とるだけでいいこともあるんですけど、なんか誰かが時間を占領してしまうとかがあるとちょっと気を使うかな。

ほんとに辛い人は私どんだけでも聞いとってってあげたらいいと思う。

ほんでみんなが話聞いとってあげると、心に思い当たることもあるやろし、参考になることもあるし、それは全然構わない。

スタッフN

自宅を会場にする負担はないようですが、それでもやめようかなとか、終わりにしようかなとかなかったですか?

日月さん

でも来てくださったら、あーちょっと楽になられたらよかったなーって、言うなんかちょっとプチ満足感があるから、終りにしようとかは無い。

やっぱ開けとってよかったんかなという方が多いかな。

たまたまちょっとこんな卓球台置ける広さあるし、みなさんにちょっと使ってもらうと、家も喜んでくれるかなって思ってるんで使ってみたいな感じ。

試合用の卓球台をたまたま払い下げのタイミングで手に入れたとのこと。上手くなくてもやってみたくなりますね。

やっててよかったことは?

スタッフN

自宅を会場にすることもそうですが、開けている時間が14時から18時の4時間と長いですよね、すごいなと思います。

日月さん

来たい人が、来たい時に、行きたい場所がある、それだけでやってます。

なんかねー自分が生きとっていいんやって思わせてくれる、誰か来てくれたときに。

私がこの世におっていいんやって思えるからありがたい。

ありがとうって言ってくれる人がいることが自体が、ありがたい。

スタッフN

ということは、たっちゃんカフェは自分のためでもあるということですか?

日月さん

そうですね、ちょっと張り合いにもなるし。


なんかよく人様がさぁ、偉い人がなんか「自分が勉強になります」とか「自分がためになるんです」とかおっしゃっとって、なんかきれいな言葉やなって思っとったけど、これやってからそれ実感、私もありがたいなぁって。

スタッフN

続けれる理由に、「ありがたい」という実感があるからやれてる?

日月さん

結果がそうやから。

結果がそうやから続けとるんじゃなくて、そうして続けとった結果がそうなんであって、これだから続けてますって言うわけではない。

スタッフN

ありがたいって思えるということは、手応えや、何か嬉しいことや楽しいことがあるんですね?

日月さん

他に繋いだ人を見てると、良い結果ばかりじゃないんだけど、私やっとってよかったなって、すごくありがたいなって思う。仲間たちがいるから。

自分の役割は繋げることだけでもいいやって思える気楽さ。

すごく嬉しくなりますよね、こんな風になりましたって聞くと。

子どもさんが良くなったり親子関係が良くなったわけじゃないのに、子どもさんが何かアルバイト始めたんですみたいな聞いたりすると、他に繋いだお母さんから、そんなん聞くとまぁまぁいろんなことを知ると言うのもいろんなとこをしっかり見聞きするっていうのもやっぱり好影響じゃないですか、親が。

それのちょっと手助けできたのかなって、直接は関係ないかもしれないけど。

やっぱお母さんがちょっと緩むと、娘さんがちょっと違ってきたりとか、直接関係ないかもしれないけど、ちょっと嬉しいなって。

だからほんのちっちゃいことかも知れんけど、少し何か好転するっていうのがね。

結果がないのはないでいいんですけど、来て下さるお母さんが、ちょっと力が抜けるっていうか、いろんな視野がちょっと広くなってくれたおかげで、ちょっとまた子どもさん達に好影響になるっていうのもあるんかな。

スタッフN

他に繋ぐということも、そもそも繋がりや情報がないとできませんよね?
繋がりを作ったり、情報を得たりするのは意識してやってるんですか?

日月さん

自分が仕事辞めて、何もないんです私(笑)

いくつかの親の会とか行ったら、なんかやっぱり評価されたいって言うわけではないんですけど、迎えてくれるじゃないですか「よく来てくれたね」「今日来てくれてありがとう助かったわ」って。

ちょっと拙い経験ですけどなんかちょっと喋らせてもらったりとか、自分が存在してて良いんやっていう。それだけですよ。

会いたい人もいるし、仲間内にも会いたい。

元気もらって帰ってくるし。

遠くから遥々来る人もいるし。

たっちゃんカフェはお店や会議室ではなく、ご自宅であるせいかなんだか落ち着いた雰囲気があります。

他人の家に行くということが、ちょっとドキドキすることもありますが、自宅であるため日月さんがとても自然体でいらっしゃる気がしました。
開催する側が肩肘張らずに自然体でいることで、来客した人も自然と肩の力が抜けるのではないかと思いました。

お茶とコーヒーと、お茶菓子と、いろいろ頂きました!お茶を飲みながらだと会話も進みそうです。

大事にしてること

居場所やカフェといった集まりで頭を悩ますことのひとつが会場をどうするかということです。

場所を確保して、予約し、料金を支払い、準備と後片付け。お茶も用意して、お菓子も買いに行って、迷っている人を案内して・・・、この準備で一仕事ではないでしょうか。

しかし、ご自宅が会場だと、開催時間や場所代などの費用のこと、移動時間や準備の手間が多少省け、運営する側にとってもメリットが見えてきます。

スタッフN

続けていくことで、大事にしていることとか、モットーとか理念とか、あるんですか?

日月さん

ただ続けること!

大事にしてることは、ただ続けること!

私ね不登校とか引きこもりだけじゃなくて、いろんな人がいろんな悩みを抱えていると思うんですよ。

だから本当は誰でも来て欲しい。

近所の人でもいいし。でもやっぱ近所でそういうことって言いづらいやろうし。

知り合いの娘さん来た時に、近所の若いお母さん呼んできて、一緒にちょっとお茶飲もうって。

スタッフN

いいですね、不登校やひきこもりの関する集まりですよっていうと、来づらい人もいるかもしれないけど「お茶飲もう」って誘えるってことですよね。

日月さん

本当はそういうのがいいなーと思うんですよ。

ほんで同じ町会の人もちょっと町会のバス旅行で知り合いになったから、私こんなんしとるげんって言ってチラシあげて、今度来てよって言ったら顔だしてみてって言ったらなんかすごく盛り上がったんですよ。なんかそれが嬉しかったんですよ。

そういった時間も大事やと思うんですよ、しんどい思いしてる人って。私そんな無理矢理コーディネートできんから。

でも来た人がお話好きやったりすると話盛り上がったりするし。

スタッフN

近所の人も呼べる環境というのは良いですね!

日月さん

私行って良いのって?いう人もいるけど、そんな積極的に来てくれない。

でも私はわかってもらえていいなと思うんですよ。

家の前通ったら日月さん看板出してるけど、何しとんねんやろうかみたいな(笑)

ってそう思ってる人もいると思うんです。

実は隣の家に私の車預けさしてもらってるんです。隣の家のばあちゃん一人暮らしやから、ばあちゃんにこんなんで月に2回ほど月曜日に車置くところ借りる時あるねんけどって言ったら「いいよいいよ」って。

ほんでありがとうって言いに行ったら「みんないいがになったか」って言ってくださって。
もう1人知り合いがおいでて、その人にもいざとなったらお願いできるし。

スタッフN

「みんないいがになったか」って言ってくれること、気にかけてくれることがなんだかとっても嬉しいですね。

積極的な協力者がたくさんいるわけでもないけど、お願いしたら協力してくれる人がたくさんいますね。

ご家族の方も協力してくれますか?

日月さん

うちの夫は知っとる人がくると顔出すけど、基本的には私だけど、今日はこんな日だから、お昼ご飯も早々にして。

一応やっぱ用意せんといかんから、それは協力してくれるし、わかってくれとるし。

やっぱ理解しれくれんと、私の気持ちだけでは、二人しかおらんけど、相方にもわかってもらわんと。

知り合いとかがいらっしゃると、そんな時は顔出してくれる。

で結構みんなぴっちり最後までおいでる人が多いかな、今の時期やったら明るいから。

スタッフN

夏の時期は夜になるの遅いですもんね。

みんな楽しくて時間を忘れてお話しされているんですね。
しかし、14時から18時、4時間というのは長いなと思いますね。

なぜ長く開けるんですか?

日月さん

時間が長いっていうのは「出入り自由よ」みたいな、仕事しとる人も居るかも知れんしそういうのはちょっと考えました。

いつ来てもいつ帰ってもいいよみたいな。

いつ来ても良いっていうことで、わりとみんな6時でもう帰るわみたいな人が多い。

ここはほかが真似できんとこなんかな。場所を借りとるとできないですよね。

自宅を会場にすることの不安や心配よりも、日月さんがやりたい居場所・カフェの形を実現するには自宅を会場にするという方法が最善だったと言えるのかもしれません。

また自宅を会場にすることで、事務的な仕事もない。近所の人も、お茶飲みに来ないかと気軽に誘える。
ただ続けることが大事だというとおり、負担にならずに続けれる仕組みのひとつが、自宅を会場にすることと言えるかもしれませんね。

卓球のある部屋の壁にかかっているのは、綺麗なギャッベ(イランの遊牧民の伝統的な織物)。

利用したい時はどうしたらいい?

スタッフN

お茶とお菓子もあって、人数も多くない集まりというので、安心して行ってみたいなと思う人がいると思うんですが、行きたい時はどうしたらいいですか?

日月さん

車を停める場所の都合があるから電話できる人はしてください。

電話してくれたらうれしいけど、でも迷いながらやっときましたは全然オッケー。連絡なくても、来る人が少ないから。

できる人は連絡してくれたらいいし、連絡なしでも全然オッケーですよ。看板出してありますから、来てください。

迷ったりとかしとる時あるじゃないですか、来たい時にどうすっかなぁって。

それも電話してくださいって言うのも辛いかもしれませんね。

でも最後にやっぱり行くかなって思ったら、それで来てもらったらいいし。

スタッフN

私が電話すごく苦手なんですけど、連絡はメールでも良いですか?

日月さん

メールでも良い!

電話出れんかったりすることもあるし。

来た人はお茶飲んで帰るだけでもいいし、もし喋りたかったら喋ればいいし、他の人の話聞いとるだけでもいいし。

スタッフN

家族も来て良いし、本人も来ていいですか?

日月さん

全然オッケーです、私対応できんかもしれんけど、来てもらったらいい!

ピンポンでもする!?(笑)

お茶飲んでピンポンするよ!(笑)

スタッフN

ヨガもありですか?!

日月さん

ヨガする?!(笑)

全然いいけど、したいちゅうんだったら(笑)

勢いで、聞いていしまいましたが日月さんは来た人が望むならと、卓球の相手もして頂けるそうです!

お話ししてる隣に卓球台があると、ちょっと久しぶりにしたくなりますね。
おいしいコーヒーやお茶があると話が弾むように、もしかすると卓球をして体を動かしてからお話ししても楽しいかもしれませんね。

玄関を入ると、綺麗なギャッベがお出迎えしてくれます。ふかふか!

今後は?

スタッフN

今後、どうしていこうかなとか、ありますか?

日月さん

続けるので十分やと思うんですけど、遠い未来は、何かどんな人でも来てくれるようなとこやったらいいなと思うんですけど。

難しいと思うんですよね。

スタッフN

どんな人でもというと、例えば?

日月さん

介護疲れの人とか、苦労話とかでもいいし、私も医療の世界におったから、わからんでもないから。結構そういうので。

あと見えないようでみんな平気な顔しとるけど、不登校ひきこもりじゃなくても家の中でカチャカチャな人っていっぱいいると思うんですよ。

スタッフN

うちもそうでした!(笑)

日月さん

なんかやっぱり家庭内って大変やと思うんですよ、私らみたいに二人ぼっちやったらね、亭主の事だけやってればいいけど。

スタッフN

そもそも、不登校ひきこもりだけに収まらない悩みもたくさんありますよね。

日月さん

私も「子どもがこんなんで」って言った時に、みんな平気な顔しとるけどそれぞれ形違う。

それぞれの家庭大変だよって言うのはあるから確かにそやなと思うし、そんな人がふらっとお茶飲んでてくれるだけでもいいし、喋りたかったら喋ってもいいし。何でもいい。

(話を聞くのも)理解になるじゃないですか。近所の知り合いの人もそういうこと知らなかったって。、うちもいろいろあるって。

そんな感じなんですよ。

みんないろいろある。

だから悩みの数があれば、新しく変えて作ってもいいかな。続けていく中で膨らんでいって種類いろんな形が、求められる形になればいいならいいかなと思います。

日月さんのご経験からも、みんなそれぞれいろんな悩みがあることに、深い理解があることが伺えます。

みんな平気な顔をしているけど、それぞれ違う形で悩みがある。

そういう悩みがみんなあるんだという視点を持って居場所を開いているからこそ、どんな人が来ても良いと思えるのではないでしょうか。
ちょっとほっとできるような、思いを吐き出す場所を作りたい。いつでもきて、お茶を飲むだけでも良い。

都合良く、苦しいまさにその時にちょうど居場所や集まりがあるわけではありませんよね。

高尚な目標や結果を目的とせず、「ただ続けること」の地道な活動の大事さは、そうした苦しさの真っ只中にある人にとって、安心できる場所のひとつではないでしょうか。

知らないお家に行くのは少し勇気が入りますが、お洒落なカフェにお茶をしに行くつもりで、扉を開けれそうです。

居場所やカフェが各地にできることの意味

石川県内でも他に自宅を開放して、居場所やお茶会を開いているところが多数あります。
一方で大きな規模で集まって、人がたくさん来るところもあります。

いろいろなところに参加してみるとわかることは、どんな集まりでも一長一短があり、雰囲気や人、会のルールなど相性も必ず存在するということです。

それにそもそも自宅が会場から遠い、開催時間が仕事と重なり行けない、自分が求めている場所とちょっと違う。多様な人々と様々な悩みが、大きな集まりの場所で必ず合うとはなかなか言い切れません。

1度、2度目と参加してみて、自分の抱える悩みが進展することも、そう簡単に期待できるものではありません。

また、自宅の近くや同じ地域の集まりには参加できないという声も意外に多いのものです。そんなのは気のせいだと細かいことを気にされない人ももちろんいるかもしれませんが、それぞれ個々の事情とは、他者から見て簡単に推し量れない、複雑な状況や心境であったりするものです。

だからこそ、大きくなくてもいい、気軽に参加のできる居場所やカフェというのが各地域、いろいろな時間と場所で存在することが良いのではないかと考えます。

たっちゃんカフェがある上荒屋地区は8号線より海側で、実はこの国道8号線を越える居場所やカフェは街中に比べて少ない。
人の集まりや利便性、会場の問題からどうしても場所が偏ってしまう傾向があるのではないかと思います。

それだけに、実は居場所やカフェは主催者側の無理のない形で、いつでもどこでも楽しみながら実現することは可能なのだと、たっちゃんカフェは教えてくれている気がします。

「お茶だけでも飲んでって」

漢字教室をお手本に、やれる範囲で、頑張らない、人が来ても来なくてもここに居るよと、居場所を開け続けること自体が一番大事だということは、今後の新しく居場所やカフェをやりたいと思う人の参考になるのではないでしょうか。


同じように居場所やカフェをやってみたい方、お話しする場所がないな、欲しいなと思っている方は、たっちゃんカフェをひとつの参考にご自分で始めてみるのもいいかもしれませんね。

気さくで優しい日月さんとおいしいお茶とお菓子で気軽にお話しをしに、ぜひ一度たっちゃんカフェに遊びに行ってみてはいかがでしょうか。


みんなの居場所 たっちゃんカフェ

目的・大切にしていること 私たちの子供も不登校を経験しています。
外に出づらい本人や支える御家族が“たっちゃんカフェ”なら行ってみようと思える居場所を目指して自宅を開放しています。
我家に来て話したり、いっしょに卓球をして楽しんでみませんか。
活動内容・対象
例会会場・日時等 Open 第1・3月曜日(祝日もOK)
14時~18時
参加費300円
金沢市上荒屋4丁目19番地
連絡先・代表者名 日月(たちもり)まり子
金沢市上荒屋4丁目19番地
090-2037-6963
駐車場の関係で連絡をもらえると助かります。

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この記事を書いた人

NPO法人ワンネススクール

NPO法人ワンネススクール

1999年からフリースクールを運営する「今を生きるための学び舎」ワンネススクールです。フリースクールや、野外体験活動、高卒資格取得、就労準備支援、シェアハウスや親の会など多岐にわたる活動を行っています。
大人も子どもも活き活きと日々を過ごせるように雑木林的な環境で楽しく過ごしています。