第1回【活動紹介】あすなろ親の会

「よりそうなかま」が始まり2ヶ月ほどが経ち、新たな年度がスタートしました。

 紙に印刷されたリーフレット(チラシ)が以前から金沢市福祉健康センターで配られていましたが、こうしてインターネットを利用して誰でもみられる機会が設けられたことはとても意義が大きいのではないかと思っています。

 新年度からは、各団体を取材し発信していくこの「インタビュー」という項目が新たに加わります。「よりそうなかま」に掲載されている民間の支援団体、当事者グループ、公的機関などを取材し、利用者の視点でみなさまにお届けし、利用したくなったとき少しでもイメージが得られるように、試行錯誤してご紹介していこうと思っています。

「インタビュー」第1回は,石川県で最も長い間活動されている「あすなろ親の会」さんです(令和2年3月28日の例会にて)。

 開催の可否についても新型コロナウイルスの影響がありましたが、対策をとり、密集しないように心がけながら例会の開催となりました。

 金沢で昭和57年頃から始まった「あすなろ親の会」さんは、会員さんも長期に渡って関わっていらっしゃる、気心の知れた仲間で運営されているような雰囲気でした。長い歴史の中で、親御さんがたくさん集まり講師をお呼びして一泊研修なども行なっていたこともあるとのことでしたが、現在は少人数でほっこり開催されている印象でした。

まだ肌寒い3月下旬,武蔵ヶ辻地下のオープンスペースでお話をお伺いしました。

【学びを中心とした例会】
 3月末に武蔵ヶ辻にある飲食店を利用して行われた昼食会と例会では、福井県から米澤豊穂先生(福井ヒューマンコミュニケーション研究所所長)が講師としていらっしゃっており、参加者の皆さんは事例研究のお話を真剣に聞き入っていました。

 米澤先生は長年福井県をはじめとして北陸、さらに広い地域で様々なカウンセリングのスーパーバイザーや講演活動を行なっていらっしゃる著名な先生で、「あすなろ親の会」さんへの参加も合宿や例会など長年関わってこられたとのこと、過去にどんな活動が行われたかなど、思い出をたくさんお話しされていました。
 こうして定期的に開催される例会などは、講師の先生をお呼びして学ぶ機会を多く持たれているとのことです。

 米澤先生のお話では、子どもの言動はシグナルであり、その家族に(その家に)選ばれて生まれてきた子である。その家に何らかのメリットが必ずあるはず。本当に子どものことを心配しているということが本人の心に届いたら立ち直れる。また親御さんの話を聞く時は、もし自分があなただったら、という心で聞く。かける言葉が見つからなかったらそばにいれば良い、とのお話が印象的でした。

【親の会として長い歴史】
 例会の後に金沢で最も歴史の長い親の会ということで、「あすなろ親の会」会長の山岸さん、事務局の氏家さんからこれまでの活動の内容や思い出、良かったこと苦労されたことなど様々な話をお伺いしました。

 この親の会のスタートは様々な縁とタイミングが重なり生まれたとのことで、まだ「登校拒否」という言葉もあまり知られていない時代に開催された講演会の直後、主催者側と参加者との会話の中で思い切って組織を作ってはどうかと話が盛り上がり、そこから「あすなろ親の会」が始まったとのことでした。

 「良い先生がいる、勉強ができる」と情報が入れば、直接お話を聞きにいき、講師としてお呼びしたそうです。また親の会として富士山麓や御嶽山麓での合宿にも参加させて貰い、2名の先生方や参加者が、夜を徹して悩みを話し合ったり、カウンセリングの理論や実践を学んだりしました。

会員には例会の様子等の会報が届きます。
例会の様子が新聞に掲載されました。

【私たちが学べること】
 この日は肌寒く、また新型コロナウイルスの影響、時間的なことからもあまり長くお話を聞く時間がありませんでした。またこうして取材と称して根掘り葉掘り、過去のことを掘り起こす時間というのも、今ある会の形を無視するようなことにはならないか・・・といろいろと考えました。
 最後に、近年新しく動き出した民間団体が活動を続ける上で、何かヒントはないでしょうかと質問しました。

Q,会を続けてきて,楽しかったこと,よかったことは?

 頑張れた原動力は応援者・協力者、そしてよき指導者に恵まれたことだと思います。金沢大学の石川正一教授、小松の西村倭文子先生、城北病院の清水魏先生、北陸内観研修所の長島正博先生、他多くの先生方と繋がるチャンスやタイミングがあったことは私たちに大きな学ぶ喜びを与え続けてくれました。

Q,運営していて,心苦しかったことなどはありますか?

何かを求めていらっしゃった初参加の方などが、しばらくすると来なくなったりしたことが苦しかった。

Q,色んな活動をする、こうした団体が増えましたが、何かアドバイスはありませんか?

 学び=視野を広げることです。「あすなろ親の会」は師匠と呼べるような先生たち十数人以上と関わってきました。会のPRは大事なことではない。「この人をなんとかしたい」と1人でもいいから思っている人がいる、と言うことを本人が感じとれるのが大事なのではないでしょうか。


 最も印象深かったのは、会の運営において、様々な講師の方々をお呼びして親たち自身が学び続けているという姿でした。

 「心理学やカウンセリング理論も大事だが、それに合わせて親と子どもの日々の生活の積み上げ、それがあって物事が動き出すタイミングがある。こうした様々な要素、縁が広がっていく」。
 お話を聞いていると、長い年月の間に様々な人たちと関わり歩んでこられたその月日を思い返しながらお話ししてくださった会長さんの眼差しが、会の歴史を現しているようでした。ふと「37,8年もやっているということは何の解決にもなっていないのではないか」と思うこともあるとお話しされ、その言葉こそ真摯に活動されているからこそ出てくるものなのだと思いました。

 長い歴史の中、学び続け、会を運営し続けたことで力をもらった人、助かった人、苦しさが和らいだ人などたくさんいたのだろうと想像ができます。それでもなお、学び続け「この人をなんとかしたいと1人でもいいから思っている人がいる」という思いを、当事者に感じてもらう活動を続けるその姿勢は、今あるすべての団体の指針になるのではないでしょうか。

例会の様子は撮影を控えさせていただきました。

 あすなろ親の会さんは長い歴史があるので、さまざまなノウハウ,エピソードがたくさんあります。また近年は少人数での開催が多いようで、大勢で集まって賑やかにやるのが少し苦手な方も顔を出しやすい雰囲気かなと思いました。

 大人の居場所というよりむしろ学びの場として、こうした話題で集まっている会ですので、子ども・若い人に関する話題もありますが、もう少し大人の方を念頭に置いた話題が多いかも知れません。
 現在はさまざまな団体が活動していますが、少し落ち着いて学んでみたい方は是非一度連絡をとりご参加してみてはいかがでしょうか。

(文:ワンネススクール 中村)


あすなろ親の会

目的・大切にしていること 子供たちが元気になるためにはまず親達が元気になることが大事。自分の気持ちや悩みを吐出し、ともに話し合える大人の居場所が必要。
活動内容・対象 ほぼ毎月1回いろんな先生がたを講師にプチ講演会を開催する。自分のうちの子供がこの先生だったらついていけるのではないかと見極める。

【会の現状】 会員数:約20名。
運営会費:会員 年会費8000円。
中日新聞北陸本社社会事業団より年額8万円の補助をもらう。
例会会場・日時等 駅や武蔵周辺の建物の研修室(近江町いちば館など)を借り、日時と共にその都度会員に知らせる。
連絡先・代表者名 会長 山岸 貞司

事務局 氏家 佐喜子
電話:090-7085-6842

この記事を書いた人

NPO法人ワンネススクール

NPO法人ワンネススクール

1999年からフリースクールを運営する「今を生きるための学び舎」ワンネススクールです。フリースクールや、野外体験活動、高卒資格取得、就労準備支援、シェアハウスや親の会など多岐にわたる活動を行っています。
大人も子どもも活き活きと日々を過ごせるように雑木林的な環境で楽しく過ごしています。