【活動紹介】精神疾患をもつ人のパートナーの会@金沢

スタッフ

今回ご紹介するのは、金沢市を中心にオンラインでも活動をされている「精神疾患をもつ人のパートナーの会@金沢」さんです。

「精神疾患を持つ人のパートナー」の当事者でもあり主催者として活動されている荒木さんに、どういった思いで開催されているかお聞きします!

会場で利用されることの多い金沢市ものづくり会館

活動を始めたきっかけ

スタッフ

「パートナーの会」ではうつ病、双極性障害、統合失調症など精神疾患を持つ人の配偶者・パートナーという視点で集まりを行われています。

なぜこうした活動を始められたんでしょうか?

荒木さん

私自身が精神疾患をもつ夫と生活していて、なんだか毎日とても大変だけどどこにも相談する場所がなかったんです。

ある時インターネットで『心病む夫と生きていく方法』っていう書籍を見つけて、そちらに掲載されていた「精神に障害がある人の配偶者・パートナーの支援を考える会」のオンラインの会に参加してみたんです。そしたら同じ立場の方がいっぱい来られるんですよ。
いないわけないのに、なんでこんなに同じ悩みを持つ人が見つからないんだろうなってそれまで思ってたんです。

スタッフ

誰かに相談することって簡単なようで辛いときにはなかなかその一歩ができないですけど、そもそも「同じ悩みの人がどこにもいない」と感じていたんですね。

特に悩んでいるときは、余計なことを考えてしまいます。

「こんなことで相談してもいいのだろうか」とか、「自分が弱いだけじゃないのか」とか・・・。

荒木さん

私もそこに参加して、すごく元気をもらえたんですよね。自分がやってることがそんなに間違ってないなってわかったり、自分がやってたことって他の人からしたらそんなやり方があるのかみたいに意外に思ってもらったり。

そういう経験をして、じゃあ地元にないんだったら私がやろうかな、と思って始めました。

ものづくり会館は能登里山里海街道からも近い立地。
立派な建物で安心感があります!

「パートナー」という立場

スタッフ

親の会や当事者の会はありますが、「パートナーの立場」としての集まりはあまり聞かないなと思いました。

何が違うんでしょうか??

荒木さん

パートナーって、血が繋がってないんですよね。

たとえば、以前から親の会とかきょうだいの会とか立場別にいろいろな会があるんですが、立場によって困りごとや悩みが全く異なるんです。

親御さんの立場だと、どんなに大変であっても我が子のことは愛おしいし、なんとかしてできるだけのことをしたいと思うのが当たり前のような前提がありますけど、配偶者やパートナーは唯一本人と血のつながりがなくって、本人との関係を解消しようと思えばいつでも解消できるんです。
そこに葛藤があります。 悩んで親の会に行ったりすると「そんなに文句があるんなら別れればいいのに」って言われて落ち込んだ、という話も聞いています。

スタッフ

状況によっては関係を解消するということで、どちらかは問題解決になるかもしれませんね・・・。

けれど、そんなに簡単に関係解消できれば、誰も悩みませんよね。
したくない、できないからこそ悩むんだと思います。

そうした意味ではパートナーという関係を中心に話し合う場というのは貴重な機会ですね?

荒木さん

同じ立場の人たちで話し合うということに意味があると思っています。

私自身も結婚生活の中で、そういった場所を必死で探す時期っていうのが何回かあったんですよね。ただ、配偶者が症状の波の中でなんかこう落ち着いちゃうと、自分も楽になって探さなくなってしまったり。

あとは、そういうことを頑張るよりも自分の好きなことをやろうとか勝手に思ってた時期もあります。

この状況をなんとかする、ということに興味が向かない時期とか、逆に向き合い過ぎて関係が悪くなってしまったりとか、いろいろやってきました。

スタッフ

苦しい中でなんとかしようと頑張れば頑張るほど、難しくなることってありますよね。

そこでちょっと第三者に相談できたりすると、客観的に自分の状況を知ることができていいなと思いますね。

荒木さん

そうですね。
なかなか同じ立場の方に出会えなくて、皆さん本当にどうされてるのかなって思っていました。

一つには忙し過ぎて相談するどころではないのかな、って思います。

「パートナー」としての苦悩

スタッフ

精神疾患を持つパートナーの立場であることは、具体的にどういったことが大変なんでしょうか?

荒木さん

まずは、相手がどんどん変化していってしまうことへの戸惑いがあります。それまでお互い支え合って生活していたのに、いつの間にか一方的に支えることになっていたり。
人が変わってしまったように暴力的になる人や、ずっとネガティブなことを言い続ける、家でずっと寝ている状態になるなど、変化のしかたは人によってさまざまなんですが、目の前の相手がそんな状態になってもすんなり受け入れられるものではないし、とても苦しいです。

そうなると、夫婦で分担してきた生活上のことが全てワンオペになるんですね。家事や育児もそうですし、働けなくなると稼ぎも一人分になってしまいますから、経済的な問題も大きいです。

子どもさんがいたら子どもの数だけやることもあるわけなので、お金も体力も要ります。

それと、家庭を運営していく中で、決断や決定をする機会ってとても多いと思うんですけど、症状が強いと夫婦で話し合って決めるってことができなくなって、話し合えないこと自体も辛いし、一人がすべて決断していかなくてはならないことも辛い。

そういうことが次から次へとやってくるので、どんどん近視眼的になっていって、気がついたらヘロヘロになっていて。

そういったことを共有できる場がそもそもなかったんです。

スタッフ

たしかにパートナーの会は全国的に見ても大都市にしかほとんどないですね。

一緒に悩んでいく過程を過ごすからこそ、配偶者だから支えて当たり前、一緒に悩んで当たり前と思い込むこともありそうですね。

荒木さん

そうですね。
でも、それは決して当たり前のことではなくて、本当に負担が大きいことなんです。

なんかもうフラフラな状態で定例会に来られて「すごいよね。頑張ってるよね」って周りの人からたくさん言われて、初めて自分がものすごく頑張ってるってことに気がつく人もいて。

「私ちゃんとやってるんだ」みたいに思って、ちょっとずつ元気になっていく人もいます。

スタッフ

慌ただしい毎日の中で、頑張ったり我慢したりの連続で、それができない自分にも自信がなくなりそうですよね。

そこに肉体的にも疲れがたまってくると、なかなか抜け出せそうな気がしませんね・・・。

荒木さん

すべてが自分の肩にのしかかってるってことを人に言ってもわかってもらえない。

精神疾患って見た目ではわかりにくいから、自分の家族とかママ友とかに言っても理解されないんですよ。それどころか、高齢者の介護をされている方とか、医療的なケアが必要なお子さんの親御さんとかよりは全然楽じゃないか、みたいに言われることもあります。

あなたの配偶者の扱い方の問題だ、とか。そう言われて自分の頑張りが足りないのか、とさらに落ち込んでしまう人もいます。

スタッフ

日常生活で同じ悩みを抱える人に出会うって、ほんとにないですよね。この世界で自分だけが苦しいのかなと、思うときがありますよね。

荒木さん

同じ経験をしてる人が他にもいるって知るだけでも違うんじゃないかなと思うんです。

自分だけがこんなに大変だと思ってしまいがちなんですけど、他にもそういう人がいっぱいいるっていうだけで、ちょっと孤独感が和らぐというか。

夫婦や家庭のプライベートなことだからとか、躊躇しがちなんですけど皆さん同じ経験してるんで、本当にちっちゃいことでもいいから来てほしいなと思います。

活動内容

スタッフ

パートナーの会さんは、さまざまな活動をしていらっしゃいます。

主な活動内容をご紹介します!

【定例会】

日時:偶数月の第2日曜日13時30分~15時30分
場所:金沢市ものづくり会館(金沢市粟崎町)など
詳しい予定はLINE公式アカウント等でお知らせします。
お子さんと一緒に参加できます。
お申し込みの際にお知らせください。
オンライン(Zoom)をご希望の方はお申し込みの際にご相談ください。
参加費:1家族300円

スタッフ

そもそも「パートナー」はどこまでの関係と考えていいのでしょうか?

荒木さん

正式に結婚しているかどうかではないです。恋人っていうのもありです。

割合的には意外と多くて、参加される方の2割くらいは今から結婚しようと思ってるとか、同棲しているけど籍は入れてませんとか、いろいろです。

金沢市粟崎町にある金沢市ものづくり会館。多くの方が利用されています。

【パートナーの会 for Couples】

パートナーとお二人で参加し話し合う会を不定期に開催しています。
詳しくはお問い合わせください。

スタッフ

定例会と違い集まられる方はそれぞれパートナーと参加されていらっしゃるようですが、どうしてカップルでの集まりをされているんですか?

荒木さん

もともとはリクエストがあったからなんですけど、二人だとなかなか冷静に話ができなかったりするし、病気を持っていらっしゃるご本人がどことも繋がれなくて孤立してるからとか、二人でだったら出かけられるし喋りやすいとか、参加しやすいといったことから始まりました。

スタッフ

たしかにそうですね、定例会とはまた違った視点でお話しできそうです。

ほかに参加されているカップルの話を聞くこともなかなかない機会ですよね。

荒木さん

定例会は敢えてパートナーの側だけが参加する会にしています。相手がいないところで愚痴を言ったり自分を休めたりする場は絶対に必要だと思うからです。

ただ、二人がそこに至るまでにはすごい長い時間がかかってて、いろんな事件が起きてのそこなんですよね。 生活はきれいごとだけではないから、年月が経つにつれて疲弊してしまってコミュニケーションが取れなくなってしまっているご夫婦も多いです。 だけど、二人で一緒にその問題どうしようかね、って話し合うことができたら、その方がいい。 二人でオープンにそういう話ができたり、他のカップルの話を聞いたりとかっていう機会があると、その後の関係性がまた変わってくるんじゃないかな、と考えています。

個別相談

秘密は守りますので、些細なことでも気軽にお話しください。
下記の問い合わせフォームよりお申し込みください。

荒木さん

たくさん人がいるところではちょっとまだ話しづらい方は、秘密を守って安心安全な場を設定できる環境でお話しすることができます。

個別相談から定例会につながる方もいます。

過去の様子はnoteから

スタッフ

過去の様子などがまとめられたものが公開されています。

例会などの参加の様子がわかりやすくて、ついつい読んでしまいました。
参加しずらいけど様子が知りたいというとき、ちょっと手掛かりになりそうでよかったです!

荒木さん

どうやったらこの会の中身が伝わるかな、っていうところでしています。

ただ、個人情報とかもあるし、あんまり私の口から言えないことの方が多いのだけど、定例会の後に参加後アンケートをお願いしていて、許可をいただいたものをそのまま載せています。ちょっとでもリアルな雰囲気を知っていただきたいな、っていうのはありますね。

スタッフ

参加するにはちょっとなんかまだ余裕がないなとか、苦手だなという方はぜひ一度ちらっとでもいいので、ご覧ください!

参加された方の感想をを読むと話しやすい雰囲気なんだなと思いました!

投稿・共有のメディアプラットフォーム「note」、下記リンク↓からご覧ください!

「当事者ではない」からこそ

スタッフ

これまで当事者の会などでいろいろとお話を聞いてきましたが、今回は「パートナー」としての苦悩や、辛さやもどかしさのようなものを初めてしっかり目の当たりにすることができました。

このインタビューを編集するにあたって、自分も悩む過程を追体験したような気持ちになりました。家庭や夫婦、パートナーとの葛藤は二人の中の過ごした時間が大きくかかわる分、他人に伝えるためにはその歴史を語るところから必要なのかもしれません。だからこそ関係を解消してしまえばいいと簡単に言えることではないと思いました。

親子やきょうだいといったものとはまた違う、特有の悩みが生じてくることも今回初めて知ることができました。

荒木さん

精神疾患をもつ人と暮らしている状態って、ストレスの中でも大きい種類に入るそうなんです。その人がいなくなってしまったような状態になって、それがいつまで続くのかもわからない。決して家庭内の小さな問題ではなく、本当に苦しいことなんです。

そういう情報を知らないと、一番苦しいのは本人なのに自分が感じてるモヤモヤなんて大したことではないんじゃないかとか、我慢しなきゃいけないんじゃないかとなりがちなんですけど、パートナーの方も本当にストレスが大きいことなんです。

スタッフ

親や家族も「本人の方が大変だから。」と言えないこともあると思いますが、パートナーも一緒ということですね。ましてや家族以上の選択肢があるからこそ、理解されるには少しハードルがある気がします。

荒木さん

病気の本人と距離を取るっていうこと自体に罪悪感を持ってしまう、という方もいますね。

見捨ててしまっているんじゃないかとか、自分は冷たいんじゃないかとか。だけどそんなことはないし、長くこの暮らしを続けていくためには、やっぱり適切な距離って大事です。

スタッフ

頑張りすぎてお互いに疲弊して、行き詰まる前にこうした集まりにちょっと顔を出して、モヤモヤっとしていることを同じ経験をされている方と共有することは大事ですね。

最後になりますが、今後してみたいこととかありますか??

荒木さん

勉強会をしたいんですよ。病気に対する知識とか、その対処法とかも学ぶんですけど、メインはお互いの経験を伝えて学び合うっていう。それを何回かシリーズでやりたいですね。

みんなねっとの主催で「家族による家族学習会」っていう5回シリーズのプログラムがあって、それがめちゃめちゃいいんですよ。1度参加したら楽しすぎて、その後スタッフとして2回参加しました!

5回連続なので、1回目じゃ言わなかった話が隠れてて、3回目、4回目ってなった時に「実は…」って出てくる話があったり。家族の物語もいろいろで、小説を読んでいるようで勇気づけられます。

そのような勉強会を開催したいです。
*みんなねっと…全国精神保健福祉会連合会(下記リンクからどうぞ)

スタッフ

楽しすぎたというのはすごいですね!

学習会となるとちょっと気を張りそうですが、楽しいから参加するという動機が一番いいですよね。

今後の活動にも期待ですが、まずはこうした集まりがある情報が必要な方に届くといいなと思います!

長くお話を聞かせていただきました!興味のある方はとりあえず一度お問い合わせしてみてはいかがでしょうか?!

連絡先、お問い合わせ

精神疾患をもつ人のパートナーの会@金沢
【お問い合わせ】
・管理人:荒木裕美子
・LINE公式アカウント:@759tyyhl
・note:https://note.com/kanazawa_partner
・WEBサイト:https://kanazawapartner.wixsite.com/my-site

この記事を書いた人

よりそうなかま インタビューチーム

「よりそうなかま」掲載団体有志による、インタビューチームです。
相互交流、情報発信を目的として「よりそうなかま」に掲載中の団体を取材して様々な視点でご紹介していきます。